top of page

2024年の感染症対策について


コロナウイルスのパンデミックから4年目を迎えようとしています。

これまでの3年間を振り返り、改めて今後の方針を表明させていただきたく。


まず、2020年に決めた基本方針は以下の通りです。

 

●コロナウイルスの定義●

正誤や是非はひとまず措き、空間管理者として【敵】を具体的に思い描く必要を実感。

当時知り得た情報の整合性と、厄年に脳内出血を罹患した経験から、

【コロナウイルスは、血管そのものにダメージを与える物理現象】

と定義しました。

すなわち、人体の免疫では排除しきれない有害物質であり、いわば【人を介して増殖するアスベスト(ガラス針状結晶)】のイメージです。

また、生物地球化学の観点から【罹患=淘汰の選別】とも捉え、生存戦略として罹患の回避に重きを置きました。



●感染症対策の方針●

人類史において、何度もパンデミックが繰り返されてきたゆえ、

「一時的に物理対応し、やり過ごしたら撤去」ではなく「常設化して、いつか別の感染症が流行しても兼備(対策済)にする」

ことを前提に実行しました。



●具体的な対策●

・マスク着用者のみ店内に案内する

・消毒液の設置/定期的にドアノブを消毒

・ベンチシートの撤去と新設(テーブルの角度を90度変更)

・ベンチテーブルを3面囲いにDIY

・カウンターのアクリルパネルは仮設置ではなく、装置として造作した

・テーブルと椅子を間引き、間隔を空ける

・ウイルス抑制効果付き空気清浄機の導入

・椅子の布地を次亜塩素酸&アルコール対応の制菌ビニールレザーに貼り換え

 

それから時間が流れた2023年5月。

日本政府はコロナウイルスを5類感染症に引き下げました。

同時にマスク、消毒、パネル設置などの感染症対策義務を解除します。


多くの人々はこれを「解放」と捉えたようですが、自分は「国家の公助→個人の自助への切り替え」と認識。これまで以上の「空間管理者の責任増」を感じました。


とはいえ、オリンピックや物価安でインバウンドが回復し、シンスケにも外国人ゲストが急増。国内外の世論および価値観と、店の感染対策の落しどころを迫られます。

最終的に【安心してノーマスク会食を楽しむためには、防疫意識の異なる層をスクリーニングするしかない】と結論付け、【ドレスコード:入店時のマスク着用】および【ご予約キャンセル数が月に5組ていどまで下がったらドレスコードを解除する】という現ルールを設定しました。


なお、予約表データによると2023年の体調不良によるキャンセルは合計294組。マスク不着用(非所持)で入店を固辞した方は半年で合計224組です。

 

1月:キャンセル14件

2月:キャンセル21件

3月:キャンセル23件

4月:キャンセル26件

5月:キャンセル17件 固辞41組

6月:キャンセル22件 固辞32組

7月:キャンセル32件 固辞19組

8月:キャンセル24件 固辞14組

9月:キャンセル29件 固辞31組

10月:キャンセル23件 固辞26組

11月:キャンセル31件 固辞33組

12月:キャンセル32件 固辞28組

※店内での集団感染および店舗スタッフの罹患は2024年1/8現在でゼロです

 

キャンセル数は月平均24.5組、入店お断りは1日平均2組とハイアベレージのままでしたので、けっきょく【今なおマスク着用解除に至らず】という結果になっています。



●2024年の方針●

これまで「100年後のパンデミックへの備え」として対策に取り組んできましたが、2023年秋にはもう次の候補がいくつか生まれつつある状況。また、スーパートコジラミ(殺虫剤耐性南京虫)という別の角度の厄災もせまってきました。

次なる対策をどうすべきか。


シンスケでは今なおマスク着用と消毒を継続しています。柿渋を塗ったDIY造作には強力な各種ウイルス不活性化効果があり、また、制菌ビニールレザーに貼り換えた椅子の座面にトコジラミは生息できません。

つまり当初の基本方針で想定した通り、すでに対策は済んでいると言えましょう。

つきまして、当店での感染症対策は今後も維持します。

また、マスク着用のドレスコード解除条件も同条件で継続する所存です。

 

  1月:キャンセル25件 固辞51件

  2月:キャンセル23件 固辞72件

3月:キャンセル21件 固辞57件

4月:キャンセル27件 固辞86件


※3代目敏夫:食事中、相席となった客から話しかけられてインフルエンザB型に感染。肺炎→腹水→がん再発→放射線治療で退院できない状況に

 

最後に年明けのご挨拶に代えて。

2024年は波乱の幕開けとなりました。

911、311、そして100年前のシンスケ創業時(関東大震災で本家親族壊滅)がそうだったように、我々は現在また日常を脅かす厄災に心痛め、他人事と自分事のあいだで茫然自失になってしまいがちです。

それでも、だからこそ、【気持ちをゆるめられる時間と空間の存在意義】がより増してきていると自分は考えています。


我が家業は居酒の場、人々の自然治癒力をアシストする商い。


コロナ非常事態宣言時に痛感したのは、すべての商いが「ふだん通りに営業する」ことが「誰かのふだんを作っている」という社会の構成でした。



酒は浮世の憂いを払う慰めのひとつ。

今日というその日を生き抜いた己に誇りと感謝の晩酌を。

そして、活力ある明日を迎えられんことを。



シンスケ4代目 矢部直治



bottom of page