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九十九回目の立春を迎えて

今から100年前の1923年。

関東大震災によって壊滅的な被害を受けた本家の酒屋を、酒問屋で大番頭を務めていた次男の曽祖父が呼び戻されて承継。

応援いただいた奉公先の若ご主人・鈴木新助氏の名前を冠し、酒場「シンスケ」として再出発してから九十九回目の春を迎える運びとなりました。

これもひとえに、お気にかけてくださる皆様のおかげです。

本当にありがとうございます。


平安時代の歌集【伊勢物語】によれば、九十九年を長らえたモノは妖怪変化して「つくもがみ(付喪神・九十九神)」になるとされ、現在を生きる我々の精神にもなんとなしの信ぴょう性として今なお伝承されています。


猫→ネコマタ 布→一反もめん 傘→一本足(唐傘こぞう) 使い捨て行為→もったいないオバケ


自分はこの、付喪神という名付けシステムを『存在の概念化』を広報する活動だと捉えています。 すなわち、その対象とのベストな関わり方「トリセツ(取扱説明書)」を世に伝える役目を負うのではないかと。


コロナウイルス騒動において、我が家業は【不要不急の場】として世に糾弾され、その存在意義をきびしく問われました。 このタイミングにネコマタ化するのは、なにかの巡りあわせかもしれません。

不要不急がもたらす豊かさの再発見・提案を言語化するのが、当代である自分のお役目と考えはじめています。

シンスケはこれからも【外呑みのトリセツ】【酒場の面白がり方】について発信を試みる所存です。 やり過ぎて、説教が鼻に付く悪霊ネコマタギにメガ進化しないよう留意しますので、どうぞ今後ともお見知りおきを。


シンスケ4代目 矢部直治


※画像は歌川国芳の浮世絵『相馬の古内裏』絵葉書を使った雑コラージュです。

付喪神「さかばけもの(酒化物・酒場獣)」のイメージで(笑)


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