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春風に酔う
4月5日。清明。満開の桜。
1992年の新装開店時、店の植え込みに枝垂れ桜を植えた。桜の木そのものにそれほど思い入れはないけれど、桜を眺める人を見るのが好きだから。
世の中は善いこと楽しいことばかりとは限らず、時にはうつむいて歩く日もある。
けれど、ヒトは満開の桜を目にすると一刻我を忘れ、必ず上を向いて見惚れてしまう。
そこがいい。
春宵一刻値千金
古代の詩人・蘇軾(蘇東坡)は、春の夕暮れをこう詠んで称賛した。酒場ならずとも寄り道して、宵の春風に酔われるのも一興かもしれません。
ところで余談ですが、蘇東坡は春宵のほかにもうひとつ、値千金と称したものがあります。
それはなんと豚肉。
あまりにも好き過ぎてオリジナルレシピを開発したうえ、作り方を「食猪肉詩」という名詩(迷詩?)のなかに残しました。
そう、中華料理の定番「東坡肉(トンポーロー)」は、彼の名前が由来だったのです。
・・・和風にアレンジしてお店で出しても面白いかな。
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